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【J2:第18節 鳥取 vs 東京V】レポート:リーグ最多得点の東京Vと、最多失点の鳥取。現状に見合う内容と結果で、東京Vが首位追撃への2連勝(12.06.10)

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前節終了時点でリーグワーストの38失点を喫していた鳥取と、リーグトップの31得点を奪っていた東京Vの対戦は、現状に沿った内容、結果となり、東京Vが勝利を収めた。

鳥取はプレビューでも記した通り、今節はセンターバックの水本勝成と、右サイドバックの尾崎瑛一郎が出場停止。右サイドバックには三浦修、センターバックには今季初先発となる内間安路が入り、布陣もそれまでの4−3−3から、4−4−2に変えて臨んだが、センターバックでコンビを組んだ戸川健太が「(内間と一緒に試合に出るのは)久しぶりだけど、ラインコントロールは合っていた」と振り返ったように、立ち上がりから大きく破綻することなく対応することができていた。一方、東京Vも左サイドバックの高橋祥平が出場停止で、代わりにルーキーの田中貴大が入ったが、その田中が序盤からタイミング良く攻め上がり、チャンスを演出。勝敗を分けるポイントの一つとみられた出場停止選手の穴埋めについては、両チームとも大きな問題はなかった。

ただ、試合展開は徐々に東京Vが押し気味に。鳥取は序盤こそ、パスをつないで攻め込むことができていたが、東京Vの攻撃から守備への切り替えの早さの前に、次第に思うようにボールを動かせなくなっていった。ボール奪取後、流れを落ち着かせるためにDF、あるいはGKまでボールを下げても、東京Vのフォアチェックを受けて追い込まれ、多くはロングパスを選択させられてしまう。それもほとんどがはね返され、裏のスペースに抜けても、試合前からの雨に濡れたピッチで球足が速いため、ゴールラインを割るか、GKにキャッチされる。前半の半ば過ぎからは、東京Vがボール支配率で大きく上回る展開となった。

しかし、鳥取にとっては想定された状況でもあり、今季の勝利はいずれも、こうした展開を無失点でしのいだところからつかんでいる。そのまま0−0で前半を終えれば、流れを引き寄せることも可能かと思われたが、もうすぐハーフタイムという44分、東京Vが、もう一つの勝敗を分けるポイントとみられていた、先制点を奪った。
今季2度目の先発となった鳥取のルーキー、熊澤圭祐の縦パスを、深津康太が東京V陣内でインターセプトし、そのままカウンターに転じると、つないだボールを正面左寄りで受けた阿部拓馬が、右足でカーブをかけてゴール右スミへ。「感覚的な部分が大きかったけど、好きな形、練習している形なので、練習通りに蹴ることができた」と振り返る、技ありのミドルシュートを決めた。狭いコースを抜いた阿部の正確なキックもさることながら、その阿部を内側から追走した飯尾一慶と、ボール奪取後にそのまま駆け上がり、最終的に右サイドからゴール前まで走り抜けた深津康太の動きが、相手DFを惑わせ、阿部への対応を遅らせたことも、鮮やかなゴールを生み出した要因だった。

後半も前半と同様に、ボールを支配して追加点を狙う東京Vに対し、鳥取が我慢しながら反撃の機会をうかがう展開。64分には鳥取が、小井手翔太のパスから美尾敦がフリーで狙うチャンスを作ったが、東京VのGK柴崎貴広に阻まれた。
ヒヤリとさせられた東京Vは、67分に追加点を奪う。鳥取陣内で、鳥取の熊澤と吉野智行のパス交換が乱れたところを突いてのショートカウンター。ペナルティーエリア内の左サイドでパスを受けた阿部が、巧みなステップから、またも右足でカーブをかけて狙い、鳥取GK小針清允の頭上を破ってゴール右スミに決まった。
鳥取はその後、80分にセットプレーのセカンドチャンスから、加藤秀典のセンタリングを住田貴彦がヘッドで狙ったが、クロスバーに当たって決まらず。これが入っていれば、鳥取が押せ押せの展開になった可能性もあるが、全体的には終始押し気味だった東京Vが、その内容に見合う2−0の勝利を収めた。

鳥取は、これで今季最長となる4連敗。吉澤英生監督が「トレーニングでやったことをやろうという意思は選手にはあったし、うまくいったシーンもある」と振り返った通り、前節までの3連敗のときと比べれば、つまらないミスで相手にボールを渡してしまうシーンは減ったが、結果をつかむまでには至らなかった。この日の先制点のきっかけとなった、攻撃から守備への切り替えの遅れなど、課題はまだ多く残っており、一つひとつ、それを克服していかなければならないことを痛感させられる敗戦だった。

2連勝とした東京Vだが、それでも川勝良一監督は守備の出来について「もっと(ボールを)取れたと思います。相手の攻めは同サイドからサイドバックの裏に入れるしかなかったので、縦(のコース)を切ったところで中に入れさせて、もっと中で取りたかった。縦に蹴らせてしまうところを、もう少し減らせれば、もっとよかった」と、より圧倒する展開を目指していたと振り返った。とはいえ、それも今後を見据えての前向きな改善点で、川勝監督が「要所要所でしっかり決めてくれた」と評価した阿部をはじめ、攻撃陣が好調を持続しているのは心強い。この日、上位が引き分けたことで、首位の山形との勝点差は3に。前節までの5試合、勝利と敗戦を交互に繰り返していた流れを変え、首位追撃へ、さらに加速しそうな勢いを感じさせる勝利だった。
 
以上

2012.06.10 Reported by 石倉利英
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