今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第19節 F東京 vs 新潟】レポート:コンディション以外のF東京と新潟の差(12.07.29)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
真夏の夜の熱気を浴びても、たくましく戦ったのは新潟だった。柳下正明監督は「F東京の状態は決して良くない」と言いつつ、「これぐらいはやれる」と胸を張った。新潟は、最終ラインと中盤をコンパクトに固めてスペースを消した。選手も監督も「切り替えを意識した」と口を揃える。守備から攻撃、そして攻撃から守備でもF東京よりも早く反応し、進むべき次のポジションに向かって走った。やるべきことをやった新潟が2−0で勝利を収めた。

「スタートから相手を押し込んで圧倒しよう」
柳下監督は選手をそう送り出したと言う。F東京はヤマザキナビスコカップ準々決勝・仙台戦(25日・ユアスタ)から中2日。対する新潟は中13日と、準備期間とコンディションには明らかに差があった。
試合開始から一進一退の展開になったが、徐々に新潟へと試合の流れが傾いていく。そして、決定打となったのが32分の得点だった。
MF三門雄大が中盤で奪い、FWブルーノ・ロペスへとボールを預ける。走りこんでゴール前でリターンを受けると、コースを狙ってネットを揺らした。その後も、新潟がしっかりと守備を整えた上で力を溜め、奪ってからの素早い攻撃を繰り返した。
一方で攻めたい前線と、守りたい最終ラインの間に誤差が生じたF東京はぷっつり糸が切れたように組織としての機能を失った。反撃の糸口が見えないまま、前半を終えた。

F東京は、後半から新加入のFWエジミウソン、戦列復帰を果たしたMF梶山陽平を次々と投入し、ゲームの流れを変えようと試みた。実際にボール保持率は上がった。ただし、新潟のブロックの手前でパスを回すものの、堅い守備を崩すまでには至らなかった。
新潟は途中出場したアラン・ミネイロがカウンターから追加点を奪い、同じように中盤で奪ってゴール前まで一気に攻め立てる攻撃を90分間やり通した。新潟が降格圏を脱出し、沈黙したまま試合を終えたF東京は10位へと転落した。

F東京の選手たちは猛暑での連戦を言い訳にはしなかった。DF椋原健太は「ACLを経験している以上は、それを言い訳にはしたくないし、できない」と語った。2つのチームには、コンディション以外にも差があった。新潟には、選手たちが顔を上げたときに複数のパスコースがあった。逆に、F東京の選手たちがボールを持って顔を上げても動き直しが遅く、背後にボールを蹴りこむ場面がいつも以上に多かった。後半10分過ぎからF東京がボールを持てたのは、途中から入ってきた梶山や米本が動いてパスを引き出すことができたからだ。ただし、それをピッチに立つ全員ができなければ、新潟のブロックを崩すことはできない。
さらに、守備面でも穴を開けてしまった。F東京は25日の仙台戦から4−4−2へとシステムを変更している。それまでの4−2−3−1とはスタートポジションが異なり、守備へと切り替わったときに戻る場所、埋めるべきポジションも当然変わってくる。中盤を削って前線に人を増やしているため、相手ボランチへのプレッシャーもより強く意識しなければいけない。それなのに、それらを怠り、相手に縦パスを通されてしまった。結果、ラインはズルズルと下がり、前線と最終ラインの距離は離れてしまった。
新潟は決められた位置に戻り、奪って攻撃を仕掛けた。難しく考えず、頭を整理してシンプルにそれを完遂した。そこに差が生じていた。

攻めなければいけない。守らなければいけない。勝ちたい。負けたくない。気持ちの焦りが混乱を招いた。F東京が、まず冷やすべき場所は頭だ。けが人続出の中、ピッチに落ち着きをもたらす選手たちが欠けているのも事実だ。だが、チームであれば、その選手がいない分を周りの選手で補完しあわなければいけない。引き出しを開けば、そこに経験がある。思い返せば、ACLの厳しい日程を乗り切って決勝トーナメントに進めたのは、頭を疲れさせなかったからだった。そう考えれば、今やるべきことは自ずと分かってくる。ほかのクラブが羨むようなことを知っている。色んな場所で吸い込んできた空気を吐き出してみると、自分たちができることに気づけるはずだ。

以上

2012.07.29 Reported by 馬場康平
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着