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【J2:第42節 熊本 vs 愛媛】プレビュー:5年分の締めくくり。愛媛を迎える熊本は、“最終節で初めて”の勝利を目指す。(12.11.10)

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組合せが決まったばかりの高揚感も含め、天皇杯でベスト16へ勝ち進んでいることで実感が薄いのだが、これまでの4年間と比べてまだ温かさが残る時期にリーグの最後の試合を迎えなければならないのは、今年から導入されたプレーオフに進むことが叶わなかったことを意味する。残念ながら、クラブが掲げてきた「5年でJ1」という中期目標は実現できなかった。また今週は、3シーズン指揮を執った高木琢也監督が今シーズン限りで退任することが発表された。
2008年3月8日のアウェイ・愛媛戦から幕を明けた熊本のJリーグでの戦いは、通算209試合目となる今節のホーム・愛媛戦でひと区切りとなる。つまり昇格へのプランは一旦リセットされるわけで、昇格にも降格にも影響しない試合であるとは言え、高木監督の花道を飾るためにも勝って5年目のシーズンを締めくくりたい、それがチームに関わる全ての人の思いだ。

ただ、迎える愛媛も強敵だ。順位こそ16位と熊本を下回っているものの、バルバリッチ監督が就任して植え付けた組織的なサッカーは、シーズンを重ねるごとに浸透。ご家族の事情でリーグ戦2試合を残して日本を離れたが、熊本が前節完敗を喫した甲府を無失点に抑えて引き分け、ホーム最終戦となった前節は鋭いカウンターを含めたまさに集大成と言える内容で草津を一蹴した。整った守備と、サイドを起点にして繰り出すスピードとアイデア豊かな攻撃は、代わって指揮を執る青野慎也コーチの元でも全く揺るがない。
特に警戒が必要なのが、左サイドの前野貴徳とトップの有田光希だ。前野は積極的な仕掛けで攻撃にスイッチを入れ、決定的なパスを供給できるだけでなく自らもゴールを狙える存在。有田も高さと強さ、速さを備えており、加入1年目ながら14得点を挙げてチームを牽引している。終盤にきてチームも7戦負けなしと好調で、前節の草津戦では3つの得点場面以外にもチームとして多くの決定機を創出した。

流動的な3トップを抑えなければ、中盤から得点の匂いが漂うパスが何度も出てくるだろう。熊本としては愛媛の前線をしっかり捕まえた上で、いかに中盤を潰して出どころを抑えるかが大きなポイントとなる。しかしながら状況は非常に厳しい。特に守備陣は負傷者が多く、前節の退場で福王忠世が出場停止となることに加え、今週のトレーニングでは市村篤司も別メニュー。また前節ダヴィと交錯して途中交代を余儀なくされた原田拓も出場できるか微妙とあって、ディフェンスラインから中盤にかけてメンバーも変えざるを得ない。
「こういう(ケガ人や出場停止が多い)状況では、本来のポジションでないところでもプレーしてもらわないといけない。ひょっとしたら、今年やってきたコンビネーションは出せないかもしれないし、後ろからビルドアップしてチャンスを作る場面は少なくなるかもしれない。今までは、つなぐところとカウンターを意識して使い分けながらやってきたが、できるだけゴールに向かって速く攻めること、そのためにもいい守備をして、いい場所でボールを奪うことが大事になる」と、高木監督は話す。
その言葉通り、今週のトレーニングでは前線から積極的にボールを奪いに行くことやディフェンスラインのアプローチのタイミングとスライド、攻撃ではできるだけ速く前方にボールを運んでラインの背後を衝き、攻めきることに焦点を置いた。

愛媛のシステムを考えれば、サイドのスペースをどれだけ有効に使って押し込めるか、また前線の出入りで相手の3バックを開かせ、あるいはギャップを生み出せるかが鍵となるが、選手たちの口から揃って聞かれたのは、とにかく対面する「目の前の相手に勝つ」ということ。チームとしての結果は、確かに局面での勝負の積み重ね。今シーズンの勝てない時期も、球際の激しさやセカンドボールの争い、切り替えといった部分で相手を凌駕することで乗り越えてきた。苦しい状況で迎える最終節もまた、ピッチに立つそれぞれが戦う姿勢を十分に発揮してくれるだろう。
「チームとしてやりたいことができるようになってきたのは、試合に出れていない選手も、全員が意識してトレーニングしてきた成果。ケガ人や出場停止と状況は厳しいけど、1人1人がそれぞれに持っているものを出せば、チームとしていい結果が出せると思います」。出場停止明けでピッチに戻る片山奨典はそう話した。

今年のメンバーで戦う試合をホームで見られる、おそらく最後の機会となる愛媛戦。熊本は“勝ってリーグを終えた”ことがまだないが、“ホーム最終戦”に限れば敗れたのは2008年の広島戦のみで、2009年以降は3勝と、地元の声援が大きな力になっているのは確か。天候はあまり芳しくない予報が出ているが、試合後のセレモニーを最高のものにするべく、そしてもちろん、チームを力の限り後押しすべく、多くの人にスタジアムに足を運んで欲しい。

以上

2012.11.10 Reported by 井芹貴志
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